令和　2年　3月　17日　　ぶれない事

先週末、ミミ坊の卒業式に出席しました。3月上旬からコロナウィルスの影響で中学校は自宅待機。大きなイベントが軒並み自粛モードの中で式の開催自体が心配でしたが、制約は色々ありましたが無事開催されました。

出席者全員がマスク姿。証書授与が一人ひとり手渡しから名前読み上げ/代表者受け取りになったり、来賓挨拶も無くなりましたが、校長先生式辞、生徒代表者の言葉、初めて聞いた”群青”も歌われました。「練習が全然出来なかった」との事も、進行は小気味良く素朴で飾らない式は寧ろ良かったのでは・・・。

親の花道で中庭に移動した卒業生。皆でワイワイと記念撮影をしたり談笑したり。トップの写真は3年前少年野球チームの同期6名。ミミ坊と中学野球部を共にしたのは2名。お調子者のT君は忘れられない数々のエピソードを残してくれましたが、春の大会での快進撃は突然の彼の覚醒があったからこそ(期間限定だったのもT君らしい)。R君は小学校5年生同じタイミングで野球を始めて、親子ともどもお世話になりました。御両親の都合で県外引越はちょっと寂しい。Y君は硬式チームで頑張って、4月からは愛知県の強豪校に野球留学。Sちゃんは陸上と女子野球の掛け持ちだったが、抜群のセンスで大阪府下超強豪の女子野球部に進学。Iちゃんは唯一中学校から別のスポーツに取り組んだとの事。

幼稚園時代からの親友3人組。イニシャル・ダブルY君なのですが・・・。左側のオシャレなY君は、家族旅行をしたら必ずミミ坊にお土産を買ってきてくれる心優しい子。右側のY君はミミ坊と同じ野球部。体があまり丈夫では無く、常に試合に出れた訳では無いのですが、誰よりも努力家で野球に取り組む姿勢は真摯。その姿勢は同級生は元より下級生からも信頼厚く慕われていました。ミミ坊が水泳と野球を迷っていた中で野球部を選んだのは、間違いなくY君のお陰です。

ずっとお話したかった、ミミ坊担任のY先生。バーテンダーから中学教師に転職した異色の経歴。私は先生の学級通信を拝見するのが大好きでした。手書きでA3用紙いっぱいに、毎号想いを目一杯ぶつけてこられる。最後の学級通信はこんな文章で締めくくられていました。

”〜　今、自分自身がやっていることが何も将来につながる自信のない人もいるだろう。それでも将来につながるのだと信じていれば点がつながって線になる瞬間が来ると私が保証しよう。なぜならこの世に真の失敗はないからである。全ては成功と最高の自分自身を実現する過程でしかないのだから。これからの人生が最高の自分であろうとすることを忘れないでください。卒業おめでとう！”

中学3年生の子供達がどこまで、毎号の先生の言葉を本当に理解できたかな？受験に直面する時期、大人への反骨心も強くなる多感な年頃。素直に受け取れない子も少なからずいたようです。そこに臆する事一切無く、まっすぐな想いを直球でぶつけ続けて下さった事が本当に有り難い。ミミ坊は、随分沢山の話を先生とさせて貰ったようです。親の説教じみた言葉よりも身近な先生の一言、一言が貴重で、これからもミミ坊の宝物になるはずです。

卒業式の次の日。先に紹介した4月から親と一緒に新天地に引っ越すR君の送別をと、野球チーム保護者ラインが呼び掛けたら、何と当時のメンバー11名が勢揃い。卒業後のタイミングとは言え、全員集まるなんて・・・。このうち3名が実力が認められて、私でも知っている名立たる学校への野球進学/留学が決まっています。他の子供達も皆、しっかりと次の進路を見定めてこの場所に来ていました。よくここまで、と思うほどチビッ子集団だった子供達が、随分と背が高くなって立派になりました。

受験生を持つ親として、正直なところ・・・。特にこの１年間、ミミ坊の学校や塾のテスト結果に一喜一憂は日常茶飯事。よく知っている子供の受験校を聞けば、先に目が行くのは偏差値だったり。それが些細な差であったとしても、自分自身が中学〜高校〜大学〜就職という競争に身を置いてきた時同様に、心揺さぶられる事もあります。平常心でいる事、ぶれない事、を保つのは結構難しい。

今日息子とスカイプをしていて、彼のほうから　「丁度2年やな」　と話がありました。　”2年”とは、彼を東京に呼び出した時からの年数。あの時過ごした2日間は結構楽しかったけれど、厳しい話もしました。それで180度変わった訳ではなくて、実際には地道でじれったい程の一歩一歩の積み重ねがあって、今日のミミ坊に繋がっている。

私立併願校は無事合格、でも彼は先週水曜日に行われた志望校受験しか見ていません。その日の夜、「やり切った」と言ったミミ坊。親馬鹿と言われても良い。この2年間、特に野球部引退後の彼の努力は、私にはとても真似の出来ない、期待を遥かに超えた頑張りでした。



東京に戻る先週末。日曜日は我が家二世帯の共同風呂の日です。幼馴染Y君とさんざん遊んで帰ってきて、先にミミ坊を風呂に入れました。私が風呂に入った後、仏壇に線香を立てたら、ほんの数cm残った線香にまだ火がついていました。　”ひいじいちゃんの高校”が志望校になってから、毎日（平日は中学校に行く前）仏壇に手を合わせるのが、彼の日課です。

模試の結果が芳しくなかった頃でも、彼の中では行きたい高校にブレが無かった。その入試結果は明後日です。