旅木ノ記　”考え事”

令和元年　10月　17日　「47歳に思う事」

8月最後の週末、ミミ坊と二人で「鈴鹿10耐」を観に行ってきました。野球部を引退した最初の週末、受験生ミミ坊に、「夏休み、毎日10時間は勉強できるはず」と、無理を承知でハッパを掛けました。　今年に入ってから特に、部活と塾で隙間時間がほとんどない毎日の中で、既に目一杯やってきたミミ坊。でも今の子供達は、同じように目一杯勉強している子の数が、自分が中学生の頃と比べたら全然多いようで、厳しい現実も目の当たりにしています。

勉強面でも良いところは沢山持っているミミ坊、高校受験で後悔はして欲しくない。酷だとは思いつつ敢えて高いハードルを提示したのですが、自分自身でそれを消化して地道にコツコツとやりきりました。そんな夏休みでもひとつかふたつ位は楽しい思い出も作って欲しい + 人参をぶら下げる意味も込めて、だいぶ早くから用意していたイベントです。

朝4時前に自宅出発して、日の出前後には鈴鹿到着。7時過ぎからのピットウォークから始まり、10時にスタートした耐久レースを10時間観戦。何しろ時間はたっぷりあるので、鈴鹿サーキットも3時間掛けて観戦しながら一周。私は夕方スプーンコーナーで睡魔に襲われて昼寝をしましたが、車大好きなミミ坊はひとときも目を離すことなく観戦。

レースは最後の1時間にドラマが待っていました。日本車最高位を走る、KCMG　No.35号車、日産ニスモ GT-Rを運転する松田次生が白熱の6位争い。GT-Rファンのミミ坊大喜び。勝負は最終ラップ、最終コーナーまで続く暑い闘いを制して見事6位入賞！　暑くてしんどい観戦ではあったけれど、インパクトの大きな久しぶりのレースでした。

3年生になる我が家の爆弾娘も、ますます元気一杯。好奇心旺盛で失敗も多くて、相変わらず笑うのも泣くのも全力投球。ミミ坊とは全く違うモモと一緒に過ごす時間も刺激的で楽しい。この日は久しぶりの奥さん休日、一緒にカレーを作りました。

ちょっと昔の写真ですが。今年も老木の桜が元気に咲いたので花見。世間では免許返納が話題の後期高齢者の年齢になったミミオヤジも、最近動くのが多少億劫になってきたようですが、酒量は変わらず元気です。数年前富士山に登ってみたり、毎月四国お遍路ツアーに出かける母は、今年始めたiphone7を使いこなしています。

単身生活は丸3年が過ぎて、すっかり落ち着いた感じです。最近は東京都内でも地図で確認せずとも歩き回る土地勘がついてきました。会社から10分で行ける銀座は特にお気に入り。

組織変更は頻繁で、仕事も勝ったり負けたりが延々と続きます。異動で大阪に帰れる見込み無く、毎日はジェットコースターのように凄い勢いで過ぎていく。そんな中でも隙間時間には都内を散歩し、ツーリングにも出掛けます。金銭面の収支は当然マイナスの単身赴任、その分は東京在でなければ出来ない事、観れない世界、その付加価値で相殺しています。

今日、47回目の誕生日を単身寮で迎えました。物理的に今この瞬間を家族と過ごしている訳ではないけれど、両親・兄弟からお祝いメッセージが届き、家族とは毎日恒例のスカイプ、久しぶりにモモが出てくれました。大事なものは有形無形できちんと繋がっていて、一瞬一瞬が愛おしくて貴い。

昔だったら誕生日に　「こんな○○歳になる！」などと偉そうに抱負を語ったりしたものですが、不惑のオッサンも後半に差し掛かると、そんな肩肘張って前のめりになる事もなく、素直に今を感謝する大人しい1日でした。

ところで・・・。40代になってから自分自身と外との関係の中でちょっとした変化がありました。20代の頃によく言われたのが「キラキラした目」、「いい人」。それが最近では「東京に行って目が濁ったね・・・」。「ミミオ君って、いい人だね」と言われる事は一切なくなりました。まあ20代もいい歳した大人、ましてや不惑後半の中年オッサンの「キラキラ瞳」も気持ち悪いけれど、「目が濁った」と言われるのも両極端だなあ。でも自覚として、最近知った「もしもまたいつか」の曲。「～君は変わってしまったんだろう～」の歌詞で問われれば、間違い無く20～30代の頃とは違う。

無条件では人を信じなくなった。
誰かの一方的な想いは、誰かの迷惑になる事も多い。
発する言葉の表面では無く、内側の真意を探る。
言葉が発する力で助けになる事もたまにあるけれど、不用意に傷つける事も多い。
限りある中で優先順位をつける、厳しい選択もあまり躊躇しない。
誰とでも仲良くするつもりは無い。いい人でいたいと思わない。それで人に嫌われても仕方が無い。

誤解を恐れずに”公”の部分を挙げるとこんな感じです。「目が濁ったね」と言われても仕方ないか(苦笑)。正直このHPの「考え事」、10年前のモノの中には消してしまいたいのもあります。でも10年前は確かにそう思って書いたし、逆を信じたい人、信じたい時もある。10年後には今とは違った景色が観えているかもしれない。そう思って、昔の恥ずかしい文章も敢えて残しています。

そうしたところで腹をくくれるのも、身近に大事なものがあればこそ。”確かなもの”は限られてはいるけれど確かにあって、それは10年前とほとんど変わっていません。