平成30年4月12日　　3年越しの夢、上野の約束

RYUBE九州と合同で行っていた全国ミーティング。4年前、平成26年4月の蒜山ツーリングをもって一区切りとなりました。九州・大阪双方からの参加者も盛況、運営上問題があった訳でもありません。ただ、節目となる10回目の計画を練る中で、九州幹事子忍者君と自然な流れでその結論になりました。バイクに乗る環境は皆それぞれ変わっていく。続けてきた事を止める選択をする事で、全国を始めた時の原点を長く維持できるのではないか。私自身はそんな気持ちで蒜山に臨みました。

その蒜山ツーリングが終わった後、どのタイミングかは覚えていませんが　「3年後はRYUBEの30周年だ。そのタイミングで九州メンバーと一緒に都井岬に行きたい！」　という気持ちが湧きました。

RYUBEにとって都井岬は特別な場所です。1泊2日の都井岬ツーリングは毎年最大のイベントでした。福岡を出発して九州を縦断。400km南下した先には、放牧された馬がのんびり歩き、一番先には白亜の灯台。恒例の到着ビール〜風呂の後は旨い地魚をあてに大宴会です。夜中は灯台への肝試しがあったり、夜更けのロビーで人生相談があったり。ウィンドサーフィンにどっぷりつかっていた私も、都井岬だけは特別な位置付けで毎年欠かさず参加していました。　そんな都井岬に、節目の30周年に、馴染みのメンバーと一緒に走りたい。　姫さんと子忍者君に相談して、正式に全国以来の合同イベント計画として立ち上がりました。

ところがその後、平成28年に私が東京異動となってしまいました。ただでさえ東京〜大阪500kmを往復する単身生活。大阪から参加するのでさえかなりの根回しが必要と思っていたところ。多忙を極める東京から参加するなんてハードルが高すぎる。転勤後のある時、東京出張の子忍者君と上野で飲んだ際、正直にその旨伝えました。そこでこんな会話になりました。



「30周年に都井岬に来たかったんじゃないの？」

「勿論、その気持ちは今も変わらないよ。ただ、現実は東京単身で仕事も忙しいし・・・」

「君が来たい、って言ったから、皆で都井岬に行こう。ってなったんだよ」

「・・・申し訳無い。でも現実は難しいし、行けなくなったら申し訳ないしなあ・・・」

「そうじゃない。君の気持ちが聞きたいんだよ。本当に行きたくて、それでも事情が許さなくなってダメになったとして、誰が君に文句を言う？　難しいのは判っているよ。それでも君が”行きたい”っていう気持ちがあるんだったら、素直にそれを聞きたいんだ」



子忍者君には昔から、時々ハッとさせられる事があるのですが、この時もまさにそうでした。「計画して貰って、行けなくなったら迷惑を掛けるから」というのは最初から自分の事だけ考えた言い訳。言いだしっぺでありながら、自分の呼びかけに応えてくれた仲間の気持ちを考えていなかった。ハードルは上がっても、30周年に都井岬に行きたい気持ちは変わっていない。　ならば子忍者君達の気持ちに甘えて、本当に行けなくなった時は「ゴメン！」って謝ろう。



「判った。きっと都井岬に行く」



実際には男らしく即答した訳では無く、終電前までグタグタしながら二人べろんべろんに酔っ払って、気がついたらそう断言していた、というのが真相です(苦笑)。でもその時から「本当に断念するまではそう言い切る」と決めて真剣に行くための算段・根回しをしてきました。そして気がつけば出発前日。家族も上司、同僚も快く送り出してくれて、準備も万端。上野で子忍者君に叱られて、本当に良かった！



天気は荒れ模様、新燃岳と桜島は噴火活動中。慎重な九州の決行可否判断だったら中止かもしれないな。それもまたバイク、走れるところまで走ろう。そんな心境でしたが、先程子忍者君から「決行！」連絡がありました。全てが整い、3年越しの夢、上野の約束を果たせる幸せを噛み締めて。明日1400km先の都井岬を目指します。

(購入当初のZX-11に貼っていた元祖RYUBEのステッカー)