平成26年6月26日　　息子に追い越された日

6月26日仕事から戻ると、息子が玄関で待ち構えていました。満面の笑みと共に一言、「パパを抜いたで！！」。・・・手にした新しいワッペンで1ヶ月に1回の進級テストを合格した事は判りましたが、何で「自分を抜いた」と言い張るのかピンときません。


1ヶ月前の進級テスト、遊びに来ていた祖父・祖母の観ている前で課題のバタフライ50mを泳ぎ切ったのにワッペンを貰えませんでした。よっぽど悔しかったのかプールから上がってきた時は涙目。その後出発直前に腹が痛くなりプールに行けなくなる事が3回続きました。それまで1度も無かった事なので対応難しく、先輩の娘が手を骨折しても部活を休まず練習に行っていた話を持ち出したりしながら気持ちを整理させて、なんとか克服する事はできました。でも、たかが進級テストに落ちた位で何をそんなに落ち込むのか、真意を計りかねていたのが正直なところです。


私自身小学校から中学校まで水泳をやってきて、下手だったけれど泳ぐのは好きでした。その延長線でウィンドサーフィンにも巡り合い今の嫁さんとも出会えた（嫁さんは多分？と言うかもしれないが）。息子には”別に急いで上手にならなくて良い、泳ぐ事が楽しく好きでいて欲しい”というのが正直な気持ちで、本人にも常々伝えています。自身が泳ぐ事が好きだから、息子が泳ぐ姿を観る事は私自身も毎週末の楽しみのひとつです。

（1年生の頃。クロールできるようになるまで随分と時間が掛かった）

ワッペンを得意げに掲げながら、息子は説明を始めました。前にクロール50ｍ泳いで進級した時にパパから　「父さんも子供の時クロール50ｍは泳いだで。まだ負けへんわ」と言われた。じゃあどうすればパパを抜くことができるん？　「父さんはバタフライは苦手やった。25ｍは泳げたけれど50ｍはしんどかった。バタフライ50ｍ泳げたら父さんに勝ったって認めてやるわ」。


・・・という忘れていた話を聞きようやく理解できました。口にはひとつも出さなかったけれど　「オヤジを抜いてやる！」　と心に秘めて泳いでいたとは。1ヶ月前あれだけ悔しがったのは祖父・祖母の前で格好良いところ見せたかった、という事にプラス　「パパを抜いたで！」　と高らかに宣言したかったのでしょう。意外と挑戦的な息子（笑）。


去年夏休みから週2回行くようになって上達速度が上がってはいたものの、顔をつけるのもクロールも人一倍遅かった息子にまさか8歳で追い越される事になるとは・・・。人に追い越されて心底嬉しいと思ったのは初めての事です。この日だけは負けを認め（但しバタフライに限って）、晩素直にお祝いをしてやりました。