○平成２２年１２月３１日　”指輪事件”

もうあと３時間程で、今年も終わりを迎えようとしています。今回は年末に起こった我が家の大騒動を恥ずかしながら御紹介。



１２月４日（土）、昼食後食器を拭いていて異変に気がつきました。左手薬指にあるはずの指輪がありません。結婚して８年、常に身につけていたものですから、そこにあるのが当たり前。体の一部のようになっていました。その指輪がないのです。「おっと、食器拭きにひっかかったかな？」と見渡すもどこにもありません。

実は夏前から指輪がどんどん緩くなっているのは判っていました。秋頃にはもうスカスカ。そして肌寒くなった頃には指から落ちそうになる事も何度かありました。そう、今年は年初から自転車に乗り始め、私の体重は７７．５ｋｇから７０ｋｇを常に切るまでに。８ｋｇもの減量を果たしたのです。そのダイエットの確かな証として、指輪がゆるくなる事ほど実感できるものはありません。内臓脂肪がガクッと減った後、なかなか減らない皮下脂肪が少しづつ減ってくるのですが、そこで顕著な現象として出てくるのが「指が細くなる」という事なのです。ですから、この日最初指輪が無くなった時も最初のリアクションは「ああ、ついにポロッとこぼれ落ちるまでになったか・・・」との苦笑いでした。ところが、無くなった指輪家の中どこを探しても見当たりません。最初は余裕かましていた私ですが、すぐに事の重大性に気がつき顔が真っ青。そして６歳になる息子が「朝からパパの指輪無かったよ」の証言が出るに及び、事態は最悪の方向に・・・。

前日は会社の飲み会。梅田でビールとワインをしこたま飲んで、珍しく気分良く酔っていました。電車は鳳駅まで乗り過ごす始末。指輪を落とした時、気がつかないのならば、この酔った時しか無いのでは・・・。そこに息子の「朝から」証言。この不景気、年の暮れ、プラチナの指輪を梅田で落としたらどうなるか。そこからは必死です。一次会の店、二次会の店にはすぐ電話。そして週明けには会社の警備室、業務部にも問合せ。勿論大阪駅交番には遺失物届を出しました。息子は幼稚園に行って「パパが指輪を落としたんだけど、落し物にありませんか」と聞いてくれ、嫁さんは生ゴミをもう一度新聞紙に広げて確認・・・・。それでも指輪は出てきませんでした。

嫁さんは、表立って怒りはしませんが、事ある毎に遠くを観る目で「指輪、どこに行ったんだろ・・・」　「・・・」　　不可抗力とは言え、なんとも弁解のしようもなく、打開策もありません。会社では自虐ネタにでもと「酔ってあの忘年会で大事な指輪無くしてしまいました」　と言ってみたら、事務の女の子から「え〜っ！！！無くしたんですか！！」とまるで浮気男を見るような厳しい目。ネタにもなりませんでした。

実は、冬のボーナスが出たら自転車のホイールを導入するつもりでいました。無くした週は丁度Ｓ店から試乗用にホイールを借りていたところだったのですが、嫁さんからは「ホイールは指輪が見つかってからやね」としっかり釘を刺されました。「１年間頑張ってきて、自分の小遣いで買うんやから・・・」とはとても言える雰囲気ではありません。なんだか年も暮れて常に指輪が心に穴を開けて、木枯らしが吹き抜けます。

散々探し回っても結局手掛かり無く、ついに二週間経った１８日夜　「ゴメン、どうしても見つからん。好きな指輪買うか、あと２年してお揃いの指輪を作り直すか、好きな方を選んで。」と嫁さんにお詫びしました。嫁さんは”エタニティー・リング”なるものが欲しい、と言っていました。それがどんなリングかは判りませんが、私としては選択の余地はありません。家族３人が諦めてようやく少し前向きになりました。



次の日、我が家は以前からやろうと決めていた「断捨離」をする事にしました。「断捨離」とは”使わない物を処分する事で、モノではなく心を豊かにしよう”という趣旨の要するに片付けです。その時私は”形あるもの”への執着に自身が疲れきっていた事もあり、あれだけ執着していたモノを大量かつ短時間で処分を決断したのです。この決断の潔さには嫁さんもビックリ（何しろ、結婚当初中学時代の水泳部のぼろぼろのジャージを捨てるかどうかで大喧嘩した事もある）。　思いの外早く家の中の断捨離が済んだので、庭の断捨離にも取り掛かりました。そして２時間程作業した時・・・

「○○（私の名前）、○○、ちょっと来て！！」

嫁さんが大声で呼んでいます。慌てて駆け寄る私と息子。何と嫁さんが庭の軍手を入れていたカゴから、無くした指輪を見つけたのでした。映画のように喜び抱き合う３人（傍から見たらかなり奇異に見えた事でしょうが）。そう言えば、４日の昼食前落ち葉拾いをしたんだった。その時軍手をはめて作業をした。軍手を脱いだ時に落ちたのだろうか・・・。全く実感は無かった。それにしても、息子の「朝からパパの指輪無かったよ」っていったい何やったんや・・・。

改めて指につけてみました。勿論８年前はジャストサイズで作りました。つい１年前まではキツイ位でした。これ程までにスカスカになっていたとは。指がスカスカになって喜んでいた私が馬鹿でした。作って貰ったお店にすぐにサイズ直しに出したのは言うまでもありません。嫁さんの指輪もついでに磨いて貰う事にしました（トップの写真）。前日嫁さんが話していた”エタニティー・リング”なるものは、奇跡の指輪（と勝手に私が命名）が戻ってきた事で、当然無かった事に。但し指輪を見つけ出してくれた嫁さんには結婚１０年目までに今より一回り大きいクロスのネックレスはプレゼントする事になりそうです。


そして勿論、小さなリングが出てきたので、私は大きなリングを手にする事ができました。

神様、どうもありがとう。サンタはやっぱりいるのかな。


そんなこんなで、指輪事件も出てきたからこそＨＰのネタにできたというものです。今年はこんな感じ、シーソーのようにアップダウンの激しい１年でした。が、家族親戚友人皆、なんとか元気に平穏無事で過ごせた事、感謝しています。




追伸　：　今年１年で私の２．５倍の重量を減らしたこの男も同じようなこんな事があったらしい。でも、ポロッとした瞬間にリカバリー。こんな男は人生失敗する事はあり得ないんだろうなあ・・・。