令和 5年 9月 12日　　黄色い血

梅雨明けに一旦落ち着いたと思っていたものの、8月一気に公私ともに超多忙状態になり今に至っています。”公”に関しては大事な案件を1件落とし、その替わり盆前後からの勝負の2件を必中にする為に心身すり減らしながら現在進行中。どちらも長い時間を掛けて沢山の仲間が労力と努力と時間を掛けてきた。お客様も評価をしてくれていて、どうしても取りたい。失敗は絶対に出来ないしんどい時間が続いています。それでも、もしこの2件が取れたら。少しは”ふざけた”人に一歩近づけるかもしれない。今月いっぱいが踏ん張りどころだ。

そしてこの忙しさに拍車を掛けているのが、我が阪神タイガースの快進撃。15年前と2年前の超失速を経験しているだけに、7月末までは「ここで馬鹿喜びをするとあとで自分に跳ね返ってしんどくなる」と思って自制していました。ところがロードに入ってからの頑張り。DNAに3連敗して「ああやっぱり」と思った後の持ち直し。そして甲子園での広島3連戦でのまさかの3連勝。これはやばい。やらなければならない事は山積みなのに、それにも増してタイガースの試合を観なければいけない。そんなしんどくも、幸せな日々を過ごしています。

ここ20年程意識して「阪神ファン」である自分を抑えて、公言しない事にしてきましたが。私50年前に生まれて物心がついた時には既に阪神帽を被っていました。毎日阪神の試合を観て勝って喜び、負けて涙を流す。阪神タイガース子供の会にも入り、当時住んでいた神戸から一人何度か甲子園にも足を運びました。

ミミオ家は私だけでなく代々が阪神ファン。じいちゃん・ばあちゃん、ミミオヤジ、叔父さん、叔母さん、兄弟、そしてミミ坊とモモ？。じいちゃん・ばあちゃんは夕方になるとサンテレビをつけてビールを飲みながら観戦するのが日課でした。唯一の日本一になった1985年、私は家族でウィーンに行っていた為リアルで立ち会う事が出来ませんでした。なので日本人学校の職員室に毎日、数日遅れの日本の新聞を読みに行き一喜一憂(当時はインターネットなどない)。先生方からは温かくも奇異な視線で見守ってもらいました。

その後の長い暗黒時代には「なんで毎日、自分のせいでもないのにこんなしんどくて嫌な想いをしなければならないのか？」と気がついて、タイガースと距離を置く知恵は出来ました。それでも2003年、2005年には甲子園に通い、その後の18年間は期待しては裏切られて、しんどくなってを繰り返し。

テレビや雑誌で「勝ち続ける阪神は阪神らしくないで」「期待していて裏切られるからこそ阪神なんや」とか平気でのたまう、ふざけたお笑いやタレントの話を聞く度に怒りで破り捨てたくなる。勝っている時はさんざん褒めるくせに、負けが込むとさも偉そうに上から目線でダメ出しをするスポーツ新聞や解説者の記事や話を聞くのが一番のストレスだと気がついて、ある時から中継は音を消して観戦。負けた次の日の新聞記事は一切観なくなりました。

負けて「だから阪神なんや」とか言って話が出来る程、私は大人ではありません。生まれた時から”赤い血”と平行して”黄色い血”が流れているから、観る試合は全部勝って欲しいし、毎回六甲おろしを歌いたい。そんな屈折した阪神ファンが今年、こんなにプロ野球を、阪神を楽しく観る事が出来るなんて。馬鹿なお笑いタレント、偉そうな解説者、いつか選手へのハラスメントで捕まれば良いスポーツ新聞記者の、不愉快で鬱陶しい論調を入らせる隙も無い快進撃。

そして今日宿敵巨人を1対0で倒して、何と9連勝でマジックを3にしました。岡田監督ありがとう。今岡、安藤、藤本、久保田。20年前のV戦士達を始めとするコーチ達ありがとう。今のタイガースのベースを作ってくれた金本・矢野両前監督ありがとう。そして何より真面目で一生懸命で力強く毎日毎日闘っている選手達ありがとう。黄色い血が流れる一人として、こんなに嬉しい日々はありません。あまりの快進撃に用意が出来ていなくてアタフタしている人になど一切気を遣う事なく、一気に”アレ”実現して下さい。

14日の阪神-巨人戦、ミミ坊が甲子園に観戦に行きます。周りにタイガースファンが多いらしく、友人がチケット確保してくれていたのだとか。あり得ないと思っていたけれど、もしかしたら胴上げをリアルで観れるかもしれない。1985年の優勝新聞を全紙揃えてウィーンまで郵送してくれたじいちゃん、今年は多分18年振りにお返しができそうです。